新しいキットと再登場のキット お薦めポイントと裏話など 2019/02/19/Tue
少し間があきましたが、今日新しいキットが出ております。
もうひとつ、復活して再登場したキットもございます。
どちらも、どうぞよろしくお願い致します。
新しい方は、赤と白のキルト。
簡単で、簡単な割には見栄えがするキルトです。
ふだん、なかなか作る時間がとれない!というお忙しい皆さまも、これは意外と作りやすく、お薦めのキットです。
パターンを1枚縫い上げる毎に、とりあえずそこで満足して、一端気持ちの整理が着きます。
それを25回出来るので、ちょっとしたストレス解消が25回も出来るという想定。
布を切るだけ切って用意しておけば、2時間ほどで1枚縫えるでしょうか。
もっとゆっくりやるなら、切るのに1日、縫うのに2日かけて、3日で1枚みたいなペースでもいですよね。
いずれにしても、やっている際中はとにかく楽しくて、時間を忘れます。
ぜひお試し下さいね。
このキルトを作ってキットセットを組むに当たって、布集めには約1年を要しました。
年々、好きな布が見つかりにくく、入手困難になっています。
特に、私は1作品に柄数を多く使うのが特徴なので、最近は非常に厳しい状況です。
悲しい限り・・・
このキルトは、この5つのパターンを作るのですが、実際にこの5つに落ち着くまで、結構たくさんの形を縫ってみました。
私の店のキットには、
・初心者と言いますか、ふだん縫い物などあまりしない人にも、やってみたいなぁと思ってもらえるもの
・未完成に終わらず、最後まで形になって、使えるもの
・製作中楽しくて、次も作りたくなるようなもの
以上の条件を満たすもの、という結構高いハードルを設けております。
ですから、見本を作る際、すでに私自身が、「面倒くさいなぁ」とか、「これあと〇〇枚も縫うの?」とか思うようなものは、却下されて商品化されません。
この5つのパターンに決まるまでには、不採用になったパターンがいくつもあり、裁断したけど使われず廃棄された四角や三角がビニール袋いっぱい。
そうやって、削ぎ落として、引き算を繰り返して、出来上っています。
自分自身ではいつまでたっても決して満足はできないけれど、それでもお客様から、「出来ました!」「楽しくて時間を忘れました!」「もう何年も愛用しています」といったお便りが届くと、それはもう全て報われたような気が致します。
みなさまそれぞれに、お仕事があったり、子育てがあったり介護があったり、闘病があったり、努力しても思うようにいかなかったり、人間関係に鬱々としたり・・日々、楽しいことばかりではないかも知れません。
もしそれが、少しの時間針を持つことで癒されるのなら、私がほんのちょっぴりでも役に立っているのなら、本当にうれしく思います。
いつも、新しいキットをサイトに載せる日は、ドキドキです。
これは余談ですが、
さっき、好きな布が入手困難になって来ている、と書きましたが、ここのところ赤が続いていたので、実は本当は赤ではなくピンクのものが作りたかったのです。
でも、ピンクの布は、赤以上にいいものが見つかりません。これを読んで下さっている皆さまも、薄々気付いておられるのではないでしょうか。
本当に、好きになれる布がない・・・。
ピンクに限らず、淡くて優しげな、品のいい柄の布、さり気なくノスタルジックな可愛い布は、本当~に少ない。
絶滅寸前です。
仕事で、いろいろ見本帳など見る立場の私でも、危機感を感じるほど、減ってきています。
理由は、明確にある、と、私は思っています。
要するに、人口減少のせいです。
布は、今もちゃんと製造されてはいます。
でも、人々の好みは多様化していて、その中では私の好きなものは「少数派」になってしまっていて、メーカーさんは、「少数派用」としてしか扱いません。
しかも、分母の日本人そのものの数が減っているのですから、年々その領地は縮小されていきます。
メーカーさんは、自分の生き残りがかかっていますから、売れるものしか作りません。
海外(アジアの富裕層向け、南米などへの輸出)などを視野に入れて、物を作るのに必死です。
それを、「少数派」は、止める立場になく、止める勢力もありません。
指をくわえて見ているわけではありませんが、やはり大河の流れを止めることはできず、仕方なく現在入手できるもので上手く折り合いをつける、ということしか、今はなす術がありません。
とりあえず、少数派は「自分は少数派であること」を自覚して、もっとアピールせねばなりません。
それには、「ずっと私のお店ではこういうのが売れています」ということを各メーカーさんに認識してもらい、「売れるなら作りましょう」という方向へ持っていかなければなりません。
立場は、非常に弱いです。
これをお読みいただいている皆様は、私と好みが似ている確率も高いかと思います。
自分がイイと思っているものは多くの人がイイと思うはず、だから常に世の中に存在し続けるのだ、という幻想は捨てなければいけません。
みなさま、自分が少数派に属しているとは夢にも思わないかもしれませんが、現実の話です。
少数派は、いつかは消える運命にあります。でも、少しでもそれを先に延ばすか、出来ることなら、起死回生を狙いましょう。
ぜひ、折りにふれて「こういう色や柄が好きだ!」とアピールして行きましょう。
私も頑張ります。
さて、余談が長くなりましたが、
復活して再登場したキットは、「たまごちゃんのベビーキルト」です。
2009年に製作して、長い間人気のキットでしたが、約2年前に販売を終了していたものを、このたび説明書をリニューアルして再び販売することに致しました。
そこで、説明書を新しくするためと写真撮影用に、キルトの一部分を作る、というのをやりました。
料理番組でよくある「その、30分煮込んだものがこちらです」みたいな感じの、途中まで作ったもの、です。
キットの説明書、とても詳しくわかりやすくなっておりますので、キルト作りをやってみようかどうしようか迷っている皆さまは、ぜひ私のお店のキットで初挑戦してみて下さいね。
黄色のベビーキルトは、男の子でも女の子でも、どちらが生まれても大丈夫なので、ぜひ早めに余裕をもって作り始めて下さい。
何はさておき、「慌てないでゆっくり丁寧に作る」これさえ出来れば、器用・不器用は関係ありません。
キルト作りは、デジタルな便利さとは無縁です。
アナログで、地味で、手間が掛かります。これさえあればすぐ完成!みたいな、魔法のような裏ワザも便利グッズもありません。
鉛筆とハサミで、針と糸で、こつこつちくちく、自分の手だけを使って、作り上げていきます。
だからこその、この柔らかさ、温かさなのです。時間も手間も、掛ける価値は十二分にあります。
そしてそのうち、その地味~な作業が、大好きになっていたりします。
ほんとに、不思議です・・
黄色のものをお部屋に置くと、金運がアップするみたいなことをよく耳にするので、そういう意味でもこれは是非お作りになってみて下さい。
そして、何かあったら(宝くじが当たったとか)、必ずご一報下さい。
赤と白のキルトキットは、完売致しました。